こんにちは。株式会社オヒアの佐野です。

私はもともと民間企業の経営者として30年近く歩んできましたが、数年前から「福祉」というまったく新しい分野に挑戦しています。きっかけは、身近なところで直面した“80-50問題”でした。高齢の親が中年の子どもを支え続ける現実を目の当たりにし、「誰かが動かなければ」と感じたのです。

とはいえ、福祉の世界は簡単ではありませんでした。グループホームを立ち上げるにも多くの資格や設備が必要で、初期投資も想像以上。毎月の運営にも多額の補填が必要で、最初の1年半は正直、自分の給料も出せない状況でした。でも、それでも続けてこられたのは、素晴らしいスタッフたちのおかげです。福祉の現場経験が豊富で、重度の障害を持つ方にも丁寧に対応できる、頼もしい仲間たちに支えられてきました。

私たちが運営するグループホーム「オヒアの木」は、どんな方でも安心して生活できる場所を目指しています。そして2025年12月には、より重度の障害を持つ方にも対応した生活介護施設を開設予定です。そこでは、干し野菜の製造などの作業を通して、障害の有無にかかわらず「自分の力で社会とつながる」ことの喜びを感じてもらいたいと思っています。

オヒアの木は、火山の溶岩で焼かれた大地に最初に芽吹く、たくましい植物です。その強さとやさしさにあやかり、私たちの施設でも利用者さん一人ひとりがそれぞれの花を咲かせてくれたら…と願っています。

福祉とビジネスの融合は、まだまだ新しいチャレンジです。でも、だからこそ可能性がある。地域社会と連携しながら、若い人にも「こんな働き方があるんだ」と思ってもらえる場所をつくっていきたい。そんな想いで、これからも前に進んでいきます。

株式会社オヒア　代表取締役　佐野浩司
（有限会社KSP代表取締役）